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なぜ特許を取得する必要があるのか?
新たに開発した技術を広く普及させるには、特許を取得しないほうがよいのでは?
このような質問を受けることがあります。特許権は独占権であり、権利を有していない者は実施できないからです。

しかし、「特許を取得する=普及しない」という構図は必ずしも真実ではありません。
経済がグローバル化した今日では、開発途上国の安価な労働コストによる製造販売が可能となっていることから、商品等が特許により保護されていないと、やがて安価な模倣品が市場に出回るようになります。
安価な模倣品は市場に価格破壊をもたらします。
そのため、多大なコストを投じて開発した商品であってもコストダウンを迫られ、徐々に体力を奪われていきます。最悪の場合価格競争に敗れ、市場から撤退せざるを得なくなるでしょう。
安価な模倣品に市場が食い荒らされて価格破壊が起こると、そのうち模倣品を製造・販売していた企業ですら利益が出なくなって市場から商品が消えてしまいます。

一方、特許を取得していた場合はどうでしょうか?
特許を取得していれば、他社は模倣品を製造・販売することはできません。
そのため、市場が荒らされることはなく、仮に模倣品が出回っても特許権に基づいて差し止め請求や損害賠償請求などの権利行使が可能です。
「特許第123456号」などの表示を付すことによって消費者は付加価値を感じ、商品の売り上げアップに貢献することもあります。

また、特許権は財産権の一種ですので、第三者に譲渡することによって収入を得たり、第三者にライセンスすることによって収入を得ることもできます。

このように、特許は「自社の技術を守る」という側面と、「財産として活用する」という2つの側面があります。
いずれの側面においても、特許によって開発者に利益を得る機会を与え、その利益を新しい技術の開発に投入することによって、また優れた技術を創造することができるのです。
これが「知的創造サイクル」と呼ばれているものです。

いかがでしょうか。ビジネスに関わっている方であれば、このような話が決して大げさではないとご理解いただけると思います。

誤解のないように申し上げますが、特許を取得していなければビジネスは成功しないというわけではございません。逆に、特許を取得していれば必ずビジネスが成功するというわけでもございません。
あくまでもお客様のビジネスモデルにおいて、特許をどのように活用するかが重要です。

吉永国際特許事務所はお客様のビジネスモデルに合った知財戦略をご提案致します。
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1.保護対象
 (1) 発明とは?
 (2) 発明の具体例は?
 (3) 発明とは認められないものの具体例は?

2.特許出願から登録までの手続
 (1) 必要な書類は?
 (2) 特許要件は?
 (3) 出願から登録までの流れは?

3.特許権
 (1) 特許権とは?
 (2) 特許権の効力は?
1.保護対象
(1) 発明とは?
「発明」とは、一般には新しいアイデア全般を指す言葉です。しかし、特許法では技術に関するものに限定されており、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されています。
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(2) 発明の具体例は?
大きく「物」の発明と「方法」の発明に分類されます。
1 物の発明
    機械・装置(例:自動車のエンジン、)
    遺伝子(例:特定の病気の原因遺伝子)
    動植物、微生物
    コンピュータプログラム
2 方法の発明
   ・・単純方法の発明
     土壌改良方法
     殺虫方法
   ・・物の製造方法の発明
     食品の製造方法、薬品の製造方法等
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(3) 発明とは認められないものの具体例は?
例えば、以下のものは発明とは認められません。
1 自然法則そのもの
  例:万有引力の法則
2 単なる発見
  例:動物の新種の発見
3 自然法則に反するもの
  例:永久機関
4 自然法則を利用していないもの
  例:ゲームのルール自体、数学の公式
5 技術的思想でないもの
  例:フォークボールの投球方法、絵画、彫刻
6 問題を解決することが明らかに不可能なもの
  例:中性子吸収物質を溶融点の比較的高い物質で包み、これを球状
    とし、その多数を火口底へ投入することによる火山の爆発防止方法
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2.特許出願から登録までの手続
(1) 必要な書類は?
特許出願には下記の書類が必要です。
1 特許願
  出願人、発明者、代理人等の情報を記載した書面
2 特許請求の範囲
  出願人が権利として要求する事項を記載した書面
3 明細書
  発明の内容を詳細に説明した書面
4 図面
  発明の具体的構成を図示した書面
5 要約書
  発明の概要を記載した書面
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(2) 特許要件は?
1 特許法上の発明であること
 上記のように、特許法上の発明に該当しないものは特許にはなりません。
 そもそも発明でなければ、特許法で保護する必要がないからです。

2 産業上利用できる発明であること
 特許法では、発明には該当しても、それが「産業上利用できる発明」でない
 場合は特許になりません。なぜなら特許法は、産業の発達を図るのが目的
 だからです。
 例えば、人間を手術、治療又は診断する方法、その発明が業として利用でき
 ない発明、実際上、明らかに実施できない発明、個人的にのみ利用される
 発明などは特許になりません。

3 新しいこと(新規性)
 すでに知られている発明は特許にはなりません。ですから、テレビで見た他人
 の発明を自分の発明として特許出願しても特許にはなりません。
 但し、インターネット上に公開した発明、論文や刊行物に掲載した発明など、
 一定の場合は救済されますので、もう公表してしまった場合でも弁理士にご
 相談ください。

4 容易に考え出すことができないこと(進歩性)
 発明が新しくても、同じ分野の技術者が容易に考え出すことができるような
 発明は特許にはなりません。例えば、最適材料の選択・設計変更、単なる
 寄せ集めの発明は原則として特許にはなりません。

5 先に出願されていないこと
 特許は早い者勝ちです。同じ内容の特許出願が存在した場合は、先に特許
 出願した者が特許を受けることができます。例えば同日の午前中と午後に
 同じ特許出願があった場合は、午前中に特許出願した者が特許を受けること
 ができます。

6 公序良俗に反しないこと
 その発明によって公の秩序や善良な風俗を乱すような発明は特許にはなり
 ません。例えば、わいせつなもの、犯罪幇助を目的とするものなどです。

7 明細書の記載要件を満たすこと
 例えば、第三者が実施できる程度に記載されていない場合、発明の詳細な
 説明に記載していない発明を特許請求の範囲に記載してしまった場合、特許
 を受けようとする発明が不明確である場合などは特許にはなりません。
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3.特許権
(1) 特許権とは?
特許発明の実施を独占的に実施することができる権利です。
特許権の存続期間は、特許出願の日から20年間です。
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(2) 特許権の効力は?
特許権は財産権ですので、第三者は不可侵義務を負うことになります。
特許権の侵害に対しては、差止請求(特100条)、損害賠償請求(民709条)不当利得返還請求(民703条、704条)、信用回復措置(特106条)などの権利行使が可能です。
また、刑事罰の適用(特196条)もあります。
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